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終活の具体的な内容や費用は?おひとりさまの終活についても解説

終活の具体的な内容や費用は?おひとりさまの終活についても解説

終活とは人生の棚卸し、悔いのない人生のために行うポジティブなものです。
例えば、身の回りのものを整理したり、自分の人生を振り返って自分史を作ってみたりということが代表的です。

また、今は少子化、核家族化が進んで頼れる人が少なくなりつつあるため、自分の死後に周囲の人にかかる負担を軽くするという目的もあります。
厚生労働省も施策として「人生会議」を掲げ、もしものときに備えて医療やケアについて前もって家族や医療チームと話し合い、共有できるように取り組んでいます。

目次

終活を始めるきっかけ

終活を始めるきっかけは人生の節目が一般的です。ここでは主なタイミングとして4つピックアップしました。

定年退職

定年退職は人生の節目の1つであり、新たなライフステージの始まりともいえるでしょう。お子様やパートナーとの過ごし方を見直すきっかけにもなるため、終活を始めやすいタイミングです。

年齢

終活は65歳くらいから始める方が多くみられます。定年退職を迎えたり、子育てが一段落したりして時間を自由に使えるようになることが主な理由です。
とはいえ、40代や50代など早い段階で終活を始められれば、体力や気力の面でも動きやすく、今後についてよりじっくりと考えられます。

また、老後を見据えて家計の見直しをしたり、定年後のセカンドキャリアについて考えたりすることも出来る上、自身の親にも終活をすすめやすいメリットがあります。

体調の変化

体調の変化を感じたときも終活を考えるタイミングです。自分が希望する医療やケア、お葬式やお墓のことについて家族と話し合えば、もしものときにも慌てずに済み、負担を減らせます。

また、家族に自分の考えや希望を打ち明けると気持ちも軽くなり、心細さを抱え込まずに済むのもメリットです。家族にとっても信頼されていることを実感でき、より強い結束力が生まれるでしょう。

身近な人の死

例えば家族を亡くしたとき、葬儀や死後の手続きを自分が行ったことで終活の大切さを意識することは珍しくありません。

また、職場の同僚や上司、友人など身近な人が亡くなったときに「自分はどうだろう?」という意識から終活を始める方もいます。

終活で行うこと

終活で実際に行うことは主に4つです。

相続について

自分の保有している資産について把握して、リストにまとめておきましょう。マイナス資産や少額の資産であっても、すべて記載してください。作成したリストは定期的に見直して、変更があれば日付を入れて修正しましょう。

具体的にいえば、銀行の名前と口座番号、印鑑の保管場所やクレジットカードの番号などです。また、有価証券は銘柄も記載します。

そして、これらの資産を誰が相続するのかについて明確に定めてください。遺言書を作成しておくと、ご遺族様同士のトラブルを防ぎ、財産を自分が希望する人に渡せます。ただし、遺言書は法律で定められた項目や形式にのっとって作成しなければなりませんので注意してください。

また、生前贈与として生きているうちに周囲の人に財産を贈ることも出来ます。
生前贈与は相続税を抑える手段として用いられるほかに、形見分けとして行うこともありますが、贈与税などについて考慮しなければなりません。

遺言書と生前贈与については、専門家に相談してください。

介護や医療処置

介護や医療処置について書くときは、誰に介護をして欲しいのか、希望する治療と避けたい治療のほか、余命がわずかなものであるときの過ごし方について考えてみましょう。

また、延命医療や尊厳死に関しても同様です。
臓器提供や献体についてご自身の希望があれば、エンディングノートに記載したり家族に伝えたりして情報を共有してください。

生前整理

生前整理をするときは、これからの生活をより快適に過ごすために、必要なものを選ぶことを意識してください。

処分できるものとして挙げられるのは、大型家具や装飾品、洋服などです。洋服や装飾品は買い取りサービスやフリマアプリ、ネットオークションでも処分できます。
主な大型家具は婚礼家具のタンス類やサイドボード、ソファやじゅうたんです。

大型家具を処分しておくと、災害時のリスクを軽減できます。また、じゅうたんの処分はほこりやダニの影響を減らし、フローリングとの段差につまずいてけがをするリスクも回避できます。

葬儀やお墓の準備

自分が希望する葬儀スタイルや、呼んで欲しい人について考えてみましょう。お墓についても、希望があればエンディングノートに書き込んだり家族に伝えたりしてください。
さらに、お葬式で使う遺影を用意しておくと、いざというときに備えられます。

おひとりさまの終活

おひとりさまは、今では決して珍しいことではありません。おひとりさまの場合も基本的に終活内容は同じですが、特に気をつけたいことが2つあります。

公的制度を利用する

財産管理契約や任意後見制度など、公的な制度を利用してください。また、死後事務委任契約を司法書士や行政書士などの専門家と結ぶと、亡くなったあとの手続きを任せられます。

葬儀信託といって、契約どおりに葬儀を行うと銀行や信託銀行へ預けた資産から、葬儀費用を支払う仕組みもあります。

自治体の終活支援サービスを利用する

自治体から提供されている、おひとりさまに向けた終活支援サービスを利用してください。一例として、次のサービスが挙げられます。

  1. 終活の相談
  2. エンディングノートの配布
  3. 定期的な安否確認
  4. 葬儀や納骨に関する生前契約のサポート
  5. 死後に訃報やお墓の場所を関係者に連絡する

終活支援サービスの有無や受けられるサポートは、地域によって異なります。気になる方はお住まいの自治体に問い合わせてみてください。

終活費用の内訳

終活にかかる費用の主な内訳は以下の通りです。

  1. お墓(新しく購入する場合のみ)
  2. 葬儀
  3. 介護や医療
  4. 生前整理

ただし、必要になるお金はケースバイケースのため、自分に必要なものをよく考えて家族と話し合ってください。

終活費用を準備する方法

終活の費用を準備するときは、次に挙げる3つの項目から確認していきましょう。

預貯金

現在の預金額のほか、複数の口座や長い間使っていない口座がないかを確認してください。複数の口座があれば1つにまとめたり、解約したりして預貯金の整理をしましょう。

生命保険または損害保険

生命保険や損害保険など、複数の保険に加入していませんか?
このような場合、支払額や契約内容を見直してください。葬儀費用の準備に不安がある方は、葬儀保険に加入する方法もあります。

不動産や有価証券

不動産は相続におけるトラブルの元になりやすく、処分しにくいものの1つです。不要な不動産の売却が出来れば、親族同士のトラブルを回避できます。

また、有価証券は資産価値が変動するため、相続時には価値が減っていることも考えられます。そのため、生前のうちに現金に換えて、終活費用や家族のために取っておくのも1つの方法です。

エンディングノートとは

エンディングノートとは、自分の死後に周囲の人が手続きに困らないように必要なことを書き入れたり、自分史を作ったりするためのノートです。エンディングノートは書店や雑誌の付録、終活セミナーなどで入手できます。

エンディングノートの法的な効力

エンディングノートには基本的に法的な効力はありません。ノートに記載した内容は、あくまで遺された人たちへ向けたお願いという扱いです。法的に有効な形にしたいときは、遺言書を作成してください。
遺言書を作成したら、エンディングノートに遺言書を作成した旨と遺言書の種類、保管場所を書きましょう。

お金について

預貯金やクレジットカード、不動産や有価証券など、保有しているものをすべて記入します。また、貸しているお金や借りているお金があれば、相手の名前や金額、連絡先などを書いてください。

デジタル終活について

スマートフォンやパソコンなどのパスコードやIDを書いておくと、死後にご遺族様にかかる手間を減らせます。
写真のデータは遺影に使用することもありますし、各種サイトのパスワードは月額制サービスや会員制サイトの解約に必要です。

ドナーや献体について

臓器提供や献体を希望するときは、その旨をエンディングノートに書いておきましょう。
ただし、死後にご遺族様の同意が必要なこともあるため、必ず生前のうちによく話し合って自分の意思を伝えてください。

ペットについて

ペットを飼っている方は、ペットの名前や年齢、生年月日を記入しておきましょう。好きな食べ物やエサのメーカーといった情報のほか、死後の扱いについても希望することを書いてください。
ペット保険に加入している場合はその旨や、普段から利用している動物病院などの情報も必要です。

終活は身近な人のために行う

終活とは、自分の死後に身近な人たちの負担を軽くする以外にも、自分の考えや気持ちを整理して前向きに過ごすために行います。

もしもの時に備えてお金や介護、葬儀のスタイルなどをエンディングノートにまとめておけば、慌てることもありません。特に相続に関してはトラブルの元になるため、遺言書の作成や生前贈与などを検討してください。

自分がこれからどう生きていくかについて家族と話し合って共有できれば、より明るく、前向きに生きられるとともに絆も深まります。

この記事が、終活を考えるきっかけになれば幸いです。

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