神棚封じとは?手順や忘れていたときの対応についても解説
「神棚封じって何?」「親戚が亡くなったため神棚封じを頼まれたけれど、どうやるの?」
神棚封じという言葉を初めて聞いた人や、神棚封じを初めて行う人はこのように思うでしょう。
神棚封じとは、神様に穢れを近づけないための儀式です。そのため、神棚のある家では忌中に神棚封じをします。
神棚封じの対象は、故人様が住んでいた家の神棚です。住居内に複数の神棚があるときは、すべて封じましょう。
今回の記事では、神棚封じの手順や解除の仕方のほか、神棚封じを忘れていたときの対応についても解説しています。また、神棚封じにおける注意点にも触れています。
神棚封じの手順を把握して、スムーズに実行できるように記事を読み進めましょう。
神棚封じとは?
神棚封じとは、神棚を50日間封印して、神様に穢れ(けがれ)を近づけないために行う儀式です。なぜなら、神道では死を穢れとして捉えているためです。
神道における穢れは気枯れ(けがれ)ともいい、心身のコンディションが通常とは異なる状態を示しています。
大切な人を亡くしたときは、誰もが大きなショックを受けます。穢れは、まさにその状態を表す言葉です。そのため、家族を亡くした人や故人様を穢れとしているわけではありません。
なお、神道では血も同様に穢れとしているため、月経中の女性は神社へのお参りを控えるようにいわれています。なぜなら、月経によって心身のコンディションが乱れやすいためです。月経や女性そのものを穢れとしているわけではありません。
神棚封じの手順
神棚封じは、以下の手順で行います。
- 神棚に向かい神様に挨拶して家族が亡くなったことを報告する
- 神棚に供えてあるお供え物と榊を下げる
- 神棚の扉を閉じる
- 白い半紙を神棚の正面に貼る
始めに神棚に向かい、神様に挨拶して家族が亡くなったことを報告します。
報告するときは、故人様の氏名を伝えましょう。
次に、お供え物と榊を下げます。お供え物を下げたら、神棚の扉を閉じてください。
最後に白い半紙を神棚の正面に貼って、神棚封じは完了です。
神棚に白い半紙を貼り付けるときは、セロハンテープを使用します。半紙が手元にないときは、コピー用紙を使ってください。コピー用紙を使うときは、用紙の大きさを変えずにそのまま貼り付けましょう。
神棚にしめ縄がついているときは、しめ縄に半紙を貼り付けます。
なお、時間の経過と共にテープが剥がれたときは、自分自身を塩で清めてから貼り直しましょう。
神棚封じの解除方法
神棚封じの解除方法は以下のとおりです。
- 神棚に貼り付けた半紙を剥がす
- 神棚の扉を開く
- お供え物や榊を元に戻す
神棚封じを解除したあとは、普段通りに拝礼できます。
神棚封じを忘れたり途中で開けたりしたときの対応
神棚封じを忘れたり、途中で開けたりしたときは以下の方法で対応します。
状況 | 対応 |
---|---|
神棚封じを忘れていた | 気づいたタイミングで実行する |
誤って封印を解除した | 改めて封印する |
忌中に神棚封じを忘れていたときは、気づいたタイミングで実行してください。なお、遅れて神棚封じをしたときでも、忌明けを迎えたら封印を解除しましょう。
忌中に誤って封印を解除したときは、改めて封印します。封印する前には、自分の体を塩で清めてから半紙をテープで貼り直してください。
神棚封じにおける注意点
神棚封じにおける注意点は、以下の4つです。
- 神棚封じは第三者に行ってもらう
- 神棚封じの対象は故人様の住居にある神棚
- 神棚封じの期間中は拝礼を控える
- 神棚封じの期間中でも仏壇や祖霊舎にお参りできる
神棚封じは第三者に行ってもらう
神棚封じを第三者に行ってもらうのは、穢れとは関係のない人物に封じてもらうためです。神棚封じを行ってもらうときは、以下の人物に依頼しましょう。
- 葬儀会社のスタッフ
- 親戚
- 近隣の住民
身近に神棚封じを依頼できる人がいない場合はご遺族様が行うものの、地域によって対応の仕方が異なります。神棚封じを行うときは、親戚や神社に相談しましょう。
神棚封じの対象は故人様の住居にある神棚
神棚封じの対象は、故人様が生前住んでいた家の神棚です。神棚が複数設けられている場合、全てを封印してください。そのため、各部屋に神棚が設置されているかどうかを確認しましょう。
なお、故人様と離れて暮らしていた喪主やご遺族様の自宅にある神棚は対象外です。
神棚封じの期間中は拝礼を控える
神棚封じの期間中は、拝礼を控えてください。お酒や米などのお供えもしません。
お供えや拝礼が習慣になっていると「神様に失礼では?」と感じる人がいるでしょう。神棚封じは、神様に穢れを近づけないために行う儀式です。
拝礼やお供えを控えるのは、神様への敬意を示すことにつながります。
神棚封じの期間中でも仏壇や祖霊舎(それいしゃ)にお参りできる
神棚封じの期間中でも、仏壇や祖霊舎(それいしゃ)にお参りできます。祖霊舎とは、ご先祖様をお祀りするための社で、仏教における位牌のようなものです。
仏壇にお参りできるのは、仏教が死を穢れとして捉えていないためです。また、祖霊舎はご先祖様をお祀りする社のため、神棚の神様とは異なります。そのため、神棚封じの期間中でもお参りできます。
ただし、仏壇は地域によって神棚と同様に封じるところがあるため、親戚や地域の人に相談してください。
まとめ:神棚封じで神様への敬意を示そう
神棚封じは神様を穢れから守り、敬意を示す大切な儀式です。
神道においては、死や血などを穢れとしています。穢れは気枯れ(けがれ)ともいい、心身のコンディションが乱れやすい状態を示します。
そのため、忌中は神棚を封じて、静かに過ごして悲しみを癒やしましょう。また、神社へのお参りも控えてください。
ただし、神棚封じの期間中でも仏壇や祖霊舎にお参りできます。仏壇や祖霊舎に向かって手を合わせると、心が落ち着くでしょう。
神棚封じについて不安があるときは、地域の人や神社に問い合わせてください。