葬儀中の防犯対策が必要な理由は?留守にするときの対策の仕方についても解説
葬儀のために自宅を留守にするときは、必ず防犯対策をしましょう。
なぜなら、日ごろから防犯対策をしていても、訃報によってパニックになる恐れがあるためです。結果、施錠を忘れたり貴重品を保管し忘れたりする恐れがあります。
空き巣に盗まれる可能性があるのは、貴重品や故人様の形見などです。そのため、自宅を空ける前は必ず防犯対策をしてください。
今回の記事では、葬儀中の防犯対策が必要な理由や、留守にするときの対策の仕方について解説しています。合わせて、葬儀会場内での防犯対策にもふれています。
防犯対策のポイントを押さえ、安心して故人様を見送れるよう、記事に目を通しましょう。
葬儀中の防犯対策が必要な理由
葬儀中に防犯対策が必要なのは、普段以上に隙が生まれやすくなるためです。突然の不幸に気が動転して対応に追われると、警戒心が薄くなります。
葬儀中に盗まれることがある主なものは以下のとおりです。
- 金銭
- 通帳
- 貴金属
- 故人様の形見
大切な人を亡くしたうえに金品を盗まれることがあれば、悲しみはいっそう深くなります。そのため、防犯対策をして貴重品や金銭を守りましょう。
葬儀中であることが空き巣に知られるきっかけ
葬儀中であることが空き巣に知られるきっかけとして主なものは、以下の4つです。
- 回覧板や町内の掲示板
- 新聞の訃報欄
- SNS
- 忌中札
回覧板や町内の掲示板
回覧板や町内の掲示板は、その地域の住民たちと情報を共有するために用いられるものです。回覧板や掲示板には葬儀の日程が記載されていることがあるため、空き巣に情報を把握されやすくなる側面があります。
近年では、個人情報保護の観点から住所や電話番号を記載しないケースがみられます。
なお、回覧板や掲示板での訃報の扱いは地域によって異なるため、気になるときは近隣の人に相談してみましょう。
新聞の訃報欄
新聞の訃報欄から、通夜と告別式の日程を把握される可能性があります。訃報欄の目的は、遠方の親戚に故人様が亡くなったことを伝えるためです。
ただし、不特定多数の人が訃報欄を目にするため、近年では掲載を避ける傾向にあります。
なお、故人様が亡くなったことと葬儀が終わっていることを知らせるために、葬儀が終わった後に掲載することがあります。
SNS
SNSに投稿した内容から、葬儀の日程や当日の行動を把握される恐れがあります。過去の投稿内容から自宅や普段の行動範囲を特定され、被害が拡大することもあるでしょう。
そのため、普段から家族でSNSの使い方について話し合ってください。話し合うときは、投稿にまつわるリスクやトラブルについて情報を共有しましょう。
忌中札
忌中札とは、玄関先に掲示する「忌中」と書いた札のことです。忌中札を用いるのは、近隣住民へ喪に服していることを伝えるためです。ただし、不特定多数の人に状況を把握されやすくなるリスクがあります。
近年では、防犯対策のために忌中札を掲示するケースは減少しつつあります。
自宅を留守にするときの防犯対策
葬儀のため自宅を留守にするときの防犯対策は、主に以下の4つです。
- 信頼できる人に留守番をしてもらう
- テレビやラジオをつけっぱなしにする
- 貴重品を金庫にしまう
- 玄関や庭に防犯砂利をまく
自宅の防犯対策に関しては、警備会社が公開する以下のようなページも参考になります。
信頼できる人に留守番をしてもらう
信頼できる人に留守番をしてもらい、不在の状況を回避しましょう。留守番を依頼できるのは、近隣の住民や友人などです。親族に依頼するときは、葬儀に参列してもらえるように複数人で交代して留守番をしてもらいます。
なお、留守番をしてもらうときも貴重品や金品は厳重に保管してください。
電灯やテレビをつけっぱなしにする
電灯やテレビをつけっぱなしにするのは、家の中に人がいるようにみせるためです。
電灯やテレビにタイマー機能が搭載されていれば、一定の時間で電源のオンオフを切り替えられるため電気代を節約しやすくなります。
なお、電灯をつけっぱなしにしていても、カーテンは閉めてください。屋外から室内の様子を把握される恐れがあります。
貴重品を金庫にしまう
貴重品を金庫に保管して、厳重に管理します。なぜなら、空き巣は1つの住宅に長居することを避ける傾向にあるためです。
金庫には防火用と防盗用の2つがあり、防犯対策に適しているのは防盗用です。防盗用の金庫には、主に以下の機能が搭載されています。
- 持ち上げたり傾けたりするとアラームが鳴る
- 暗証番号を設定できる
ほかには、金庫を床に固定させて持ち去られるリスクを低減できるものがあります。固定させる方法は床の材質や住居のタイプ(賃貸か戸建てかなど)によって異なるため、事前に確認してください。
玄関や庭に防犯砂利をまく
玄関や庭に防犯砂利をまくと、歩くたびに音が鳴るため空き巣に入られにくくなります。なぜなら、空き巣は近隣住民に姿をみられることを避けるためです。
防犯砂利はホームセンターやネットショップなどで購入できます。
なお、防犯砂利を土の地面にまくときは、除草シートと併用しましょう。なぜなら、歩くうちに砂利が地面に埋まって補充することになる可能性があるためです。
また、防犯砂利の音は70db(デシベル)といわれています。セミの鳴き声と同じくらいの音が鳴るため、近隣の迷惑になる恐れがあります。人の出入りが激しいところにまくときは、音が小さな砂利をまきましょう。
葬儀会場内における防犯対策
葬儀会場内における防犯対策としてできることは、主に2つです。
- 親族とこまめに情報を共有する
- スタッフと顔を合わせて話す
親族とこまめに情報を共有する
親族とこまめに情報を共有して、確認不足によるミスを防ぎましょう。情報の共有がうまくできていない場合、次のようなトラブルが考えられます。
親族が参列者からお香典を受け取ったとします。
受け取ったお香典を、その親族は「あとで伝えよう」と考えてハンドバッグにしまいました。
ハンドバッグにお香典をしまったことを忘れて帰宅し、ご遺族さまからの連絡によって気付きました。
このように、実際には盗まれていなくてもお香典が保管されていないとしてトラブルに発展する可能性があります。
そのため、必ず親族間で情報を共有できるようにしてください。
スタッフの顔や名前を覚えておく
打ち合わせのときや当日に、スタッフの顔や名前を覚えておきましょう。なぜなら、スタッフと偽った人物がお香典を預かるといって持ち去るケースがあるためです。
また、スタッフの顔と名前を把握しておけば、会場内に見知らぬ人物がいるときに気付きやすくなります。
人の出入りが多くなる葬儀では、会場内に見知らぬ人物がいても親戚や近隣住民の1人と判断することがあります。見知らぬ人物に手伝う旨を伝えられたときは、防犯のためにも丁重に断りましょう。
自宅で留守番をしてもらうときに依頼できること
自宅で留守番をしてもらうときに依頼できるのは、主に以下の5つです。
- 自宅で過ごしてもらう
- 電話対応をしてもらう
- 弔問客を葬儀会場へ案内してもらう
- 自宅に届いた弔電や香典を預かってもらう
- 中陰壇の設置と管理をしてもらう
留守番してもらう人には、自宅で過ごしてもらいます。自宅で過ごしてもらうときは、清掃や帰宅後の食事の用意などを依頼できます。
電話対応の際は、急用であればメモに内容や氏名を控えてもらうよう伝えてください。急ぎではない用件のときは、帰宅したときに伝えてもらいましょう。
弔問客が訪ねてきたときは、葬儀会場へ案内してもらいます。弔問客から受け取った弔電や香典は保管してもらいましょう。保管の仕方については事前に話し合って決めてください。
なお、弔電や香典は開封して会場へ連絡してもらうように伝えることもできます。
葬儀が始まる時間になったら、仏壇に焼香してもらいましょう。仏壇にはロウソクと線香、ご飯とお水を供えてもらいます。
中陰壇を設置してもらうときは、設置する場所や必要な用具を保管している場所を伝えてください。中陰壇について知りたいときは、以下の記事をご覧ください。
まとめ:葬儀で留守にするときは防犯対策をしよう
葬儀で留守にするときは防犯対策をしてください。なぜなら、留守中の自宅を狙って空き巣が入り、貴重品や故人様の形見を盗まれる可能性があるためです。
防犯対策のポイントは、電灯やテレビをつけっぱなしにしたり玄関や庭に防犯砂利をまいたりすることです。信頼できる人に留守番をしてもらうと、弔問客や電話の対応を任せられます。
故人様の安らかな旅立ちを見届けるために、できることから防犯対策を始めましょう。