新聞のお悔やみ欄に掲載する意義は?申し込み方についても解説

新聞のお悔やみ欄は故人様の逝去を知らせるほかに、葬儀を滞りなく終えたことを関係者に伝える役割を担っています。
かつては詳細な情報が掲載されていましたが、近年では個人情報保護の観点から最小限の情報に絞られています。
掲載を希望する際は、新聞社に直接申し込みましょう。なお掲載が慣習化した地域では、葬儀会社に手続きの代行を依頼できることがあります。
ただし、個人情報を掲載するリスクを把握し、対策をおこなってください。
今回の記事では、お悔やみ欄に掲載する意義や申し込み方について解説しています。合わせて、掲載するリスクにもふれています。
お悔やみ欄に掲載する意義
お悔やみ欄に掲載する意義は主に以下の3つです。
- 多くの人に訃報を届けられる
- 案内状を送る手間を省略できる
- 葬儀が無事終了したことを伝えられる
多くの人に訃報を届けられるため、生前の故人様の交友関係を把握しにくいときに状況を知ってもらいやすくなります。
社葬や一般葬などの大規模な葬儀を執り行うときは、お悔やみ欄への掲載を検討しましょう。より多くの人に見送ってもらえれば、悔いのないお別れができます。
案内状を送る手間を省略できるのは、お通夜や葬儀の日程および会場を掲載したときです。
ご遺族様は葬儀の準備や手配などで非常にあわただしくなるため、送付の手間を省略できればよりスムーズに取り組みやすくなるでしょう。
葬儀が無事終了したことを伝えられれば、葬儀に参列できなかった人に安心してもらえます。
また、近隣の住民のなかには喪主のことを気にかけている人がいます。お悔やみ欄を目にすれば、不安を解消してもらえるでしょう。
なお、新聞社のなかには菩提寺の情報を掲載するところがあるため、お墓参りにきてもらえる可能性があります。
お悔やみ欄への掲載を申し込む方法
お悔やみ欄への掲載を申し込むときは、電話やメールにて新聞社に連絡します。ほかの連絡手段として、FAXを利用できます。
申し込む際は、以下の7つの情報を共有してください。
- 故人様の氏名
- 死亡年月日
- 享年
- 死因
- お通夜と葬儀の日程
- 会場名
- 喪主の氏名や住所
掲載を避けたい情報があるときは、その旨を伝えます。
なおお悔やみ欄への掲載が慣習化した地域では、葬儀会社に手続きの代行を依頼できることがあります。掲載を避けたいときは、その旨をハッキリと伝えましょう。
掲載されるタイミングは一般的にお通夜当日の朝刊になります。
掲載の可否は新聞社が判断する
掲載の可否は新聞社が判断します。理由は次の2つです。
- 掲載費が無料なため
- 世間に大きな影響を与える出来事が起こったため
掲載費が無料なのは、社会的な意義のあるサービスとして提供されているためです。確実に掲載してもらいたいときは、死亡広告として掲載費用を支払います。
世間に大きな影響を与える出来事が起こったとき、新聞社はより多くの紙面を割いて情報を届けます。そのため、掲載が見送られるでしょう。
従来のお悔やみ欄との違い
従来のお悔やみ欄との違いを以下にまとめました。
従来のお悔やみ欄 | 現在のお悔やみ欄 |
---|---|
掲載数が多かった | 掲載数が減少している |
情報が詳細に記載されていた | 情報が簡略化された |
主に地域版に掲載されていた | 新聞以外の媒体で掲載されるようになった |
掲載数が多かったのは新聞が情報を得るうえで重要なツールだったためです。
メールやインターネットがなかった当時、お悔やみ欄は知人や親戚に向けて一斉に訃報を届けていました。またお悔やみ欄は地域版に掲載されることが主だったため、近隣の住民に知らせる意図がありました。
現在、掲載数が減少したのは媒体が多様化したためです。新聞以外の媒体はWebサイトやSNSが挙げられます。
掲載元は葬儀会社や霊園のほか、自治体などが挙げられます。
情報が簡略化されたのは個人情報を保護するためです。記載する情報は故人様の氏名や年齢のみとするケースが増えています。
お悔やみ欄に掲載することで発生するリスク
お悔やみ欄に掲載することで発生するリスクを以下に4つ挙げました。
- 個人情報が漏えいする
- 香典を盗まれる
- 自宅が空き巣被害に遭う
- 香典返しが不足する
個人情報が漏えいするのは、喪主の氏名や住所が掲載されるときです。結果、電話や訪問セールスが増加することがあります。
香典を盗まれる可能性があるのは、お悔やみ欄に葬儀日程や会場名を掲載したときです。なかでも大規模な葬儀を行う場合、弔問客を装って香典泥棒が侵入することがあります。
そのため、ご遺族様が把握していない人物から手伝いの申し出があったときは、丁重に断ってください。
自宅が空き巣被害に遭うのは、葬儀日程や会場のほか、喪主の氏名と住所を掲載しているときです。自宅を留守にしている時間帯の空き巣が発生するリスクがあります。
そのため、自宅を出発する前に防犯対策をしておきましょう。防犯対策については以下の記事が参考になります。

香典返しが不足するのは、参列者の人数が予想を上回ることがあるためです。
お悔やみ欄に掲載してもらうときは、香典返しを多く用意したり後日お返しとお礼状を贈ったりして対応しましょう。
まとめ:お悔やみ欄に掲載する意義とリスクを把握して慎重に検討しよう
新聞のお悔やみ欄は、訃報を知らせるほかに葬儀が無事に終了したことを報告するために活用されています。
以前は詳細な情報が記載されていたものの、現在は個人情報を保護するために最低限の情報のみ記載しています。
お悔やみ欄に掲載してもらうときは新聞社に直接申し込みましょう。なお掲載が慣習化しているエリアでは、葬儀会社に代行を依頼できます。
お悔やみ欄に掲載する意義とリスクを把握して、掲載するかどうかを慎重に検討しましょう。
