卒塔婆(そとば)供養とは?概要と実際に行うときの流れについても解説
卒塔婆(そとば)供養と聞いて、以下の疑問を持つでしょう。
「卒塔婆って何?」
「卒塔婆供養をすることになったけど、よくわからない」
卒塔婆とは経文や御題目が書かれた木の板で、故人さまが極楽浄土へ行けるようにという願いが込められています。
卒塔婆を立てるときは、菩提寺か墓地の管理事務所に問い合わせましょう。卒塔婆の本数に明確な決まりはないものの、1〜3本立てるケースが多くみられます。
注意したいのは、卒塔婆は仏教の宗派によって立てるかどうかが異なる点です。
今回の記事では、卒塔婆供養の概要と実際に行うときの流れについて解説しています。合わせて、卒塔婆を立てるタイミングやポイントにもふれています。
卒塔婆供養について知り、心のこもった供養ができるよう記事を読み進めましょう。
卒塔婆(そとば)供養とは
卒塔婆供養とは、故人さまを供養するために立てる木の板のことです。語源はサンスクリット語の「ストゥーパ」からきています。
卒塔婆の形は五輪塔(ごりんとう)を模しています。五輪塔とは、仏教におけるこの世界を構成する5つの要素(火、水、風、地、空)を表したものです。
卒塔婆供養をするのは、追善(ついぜん)供養のためです。追善供養は仏教の教えの1つで、生きている人の善行は亡くなった人の善行となり、それが自分に戻って来ることを意味します。
なお、卒塔婆供養を行う人に決まりはありません。そのため、ご遺族さまの他に故人さまと親しかった人に立ててもらうこともできます。
ただし、卒塔婆を立てるかどうかは仏教の宗派によって異なります。
浄土真宗は卒塔婆を立てない
浄土真宗は卒塔婆を立てません。なぜなら、浄土真宗には往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)の考えがあるためです。
往生即成仏とは、亡くなった人は阿弥陀如来さまによってすぐに成仏するという意味です。そのため、卒塔婆供養を行いません。
卒塔婆を立てるタイミング
卒塔婆を立てるのは一般的に納骨供養のタイミングではあるものの、決まりはありません。納骨供養のとき以外に卒塔婆を立てる機会として挙げられるのは、主に以下の3つです。
- お盆
- お彼岸
- 祥月命日
なお、卒塔婆を立てるときは親族に相談して了承を得ましょう。独断で卒塔婆を立てると、円滑な関係を維持しにくくなる恐れがあります。
卒塔婆を立てたあとは、処分するか節目の法要ごとに新しい卒塔婆と交換してください。処分の仕方については後述します。
卒塔婆供養を行うときの流れ
卒塔婆供養は、以下の流れで行います。
- 菩提寺に連絡する
- 卒塔婆供養をする
- 僧侶に塔婆料を渡す
菩提寺に連絡する
菩提寺に連絡して、卒塔婆供養を希望する旨を伝えましょう。菩提寺がないときは、墓地や霊園の管理事務所に問い合わせてください。
連絡するときは、卒塔婆供養を行いたい日にちも合わせて伝え、法要の日程を調整します。なお、卒塔婆の費用は地域や寺院によって異なるため、必ず確認しましょう。
卒塔婆供養をする
卒塔婆供養は、法要が終わったあとに僧侶の案内に従って行います。法要以外のときに卒塔婆供養をする場合は僧侶に立ててもらうこともできます。
卒塔婆を立てたあとは、僧侶に塔婆料を渡してください。
僧侶に塔婆料を渡す
僧侶に塔婆料を渡すときは、水引のない白い封筒に入れて渡しましょう。表書きの主な例は以下の3つです。
- 塔婆代
- 塔婆料
- 御塔婆料
表書きは筆ペンを使います。墨の濃さに決まりはありません。
塔婆料は、御布施やお車代などと合わせて法要が始まる前までに渡しましょう。
渡すときは、切手盆に乗せるか袱紗に包みます。
卒塔婆供養のポイント
卒塔婆供養のポイントは、主に以下の2つです。
- 卒塔婆は1人の故人さまに対して複数立てられる
- 古い卒塔婆はお寺や墓地の管理事務所に処理してもらう
卒塔婆は1人の故人さまに対して複数立てられる
卒塔婆は1人の故人さまに対して複数立てることができます。一般的には1〜3本立てるケースが多くみられます。
ただし、卒塔婆を立てる本数は墓地区画のスペースによって異なるため、菩提寺や墓地の管理事務所に問い合わせて確認しましょう。
古い卒塔婆はお寺や墓地の管理事務所に処理してもらう
古い卒塔婆はお寺や墓地の管理事務所に処理してもらいます。なぜなら、古くなった卒塔婆は折れたりシロアリがわいたりする恐れがあるためです。
処理する方法は以下の2つです。
- 新しいものと交換してもらう
- 古くなった卒塔婆を破棄する
新しいものと交換してもらうときは、始めに卒塔婆を立ててから次の法要を行うタイミングで依頼しましょう。
古くなった卒塔婆を破棄するときは、お焚き上げしてもらえます。ご遺族さまが引き取って処理する場合は、可燃ごみとして扱ってください。
まとめ:卒塔婆供養の意義を把握して故人さまの安らぎを願う
卒塔婆を立てるのは追善供養といって、生きている人の善行が亡くなった人の善行となり、また生きている人に戻って来るという考えに基づいています。ただし、浄土真宗では卒塔婆供養を行いません。
卒塔婆供養を行うタイミングに決まりはないものの、納骨供養の際に行うのが一般的です。
卒塔婆を立てるときは親族の了承を得てから、菩提寺や墓地または霊園の管理事務所に問い合わせてください。
卒塔婆供養を行うときは、故人さまの安らぎを願いながら心を込めて行いましょう。