弔電とは?種類や申し込み方についても解説

弔電とは、お悔やみを伝えるための電報です。お通夜や葬儀、法要などに参列できないときに用います。
打った弔電はお通夜や葬儀の場で読み上げられます。
弔電には台紙があり、さまざまなデザインが用意されているため故人様やご遺族様との関係性に応じて適切なものを選びましょう。
また、弔電の内容は定型文を用います。なぜなら、弔電が読み上げられるとき、故人様のプライバシーに配慮するためです。
今回の記事では、弔電の種類や申し込み方のほか、打ち方について解説しています。合わせて弔電を打つときのポイントにもふれています。
故人様やご遺族様を尊重しながら適切な弔電を打つために、記事に目を通しましょう。
弔電の種類
電報には台紙があり、様々なデザインから任意で選択できます。ただしデザインは価格帯によって異なるため、故人様やご遺族様との関係性に応じて選びましょう。
弔電の台紙は主に以下の3つが挙げられます。
- フォーマルタイプ
- スタンダードタイプ
- ベーシックタイプ
3つのタイプの特徴と適しているシーンを以下にまとめました。
台紙 | 特徴 | 適しているシーン |
---|---|---|
フォーマルタイプ | うるしで仕上げられたものや刺繍がほどこされたものなどがある | 生前の故人様と親交が深かったとき 恩師、上司など目上の立場の人が亡くなったとき |
スタンダードタイプ | 押し花や水引などがあしらわれている | 親族や親しい人が亡くなったとき |
ベーシックタイプ | 和紙を用いてシンプルに仕上げられている | 友人や知人などが亡くなったとき |
なお、弔電にはオルゴールの仕掛けがついたものや線香をセットにしたものなどがあります。故人様が生前好んでいた色や花があしらわれた台紙を選ぶと、より哀悼の意が伝わるでしょう。
弔電の申し込み方
弔電を申し込むときは電話かWebサイトから申し込みます。申し込むときは、次の7つの情報を控えましょう。
- お通夜や葬儀の日時
- 会場名および住所
- 会場の電話番号
- 故人様の氏名
- 喪主の氏名
- 故人様と喪主の続柄
- 喪家の宗教
Webサイトから申し込む
インターネットから申し込むときは、NTT西日本または東日本の弔電サービス「D-MAIL」にアクセスしてください。
台紙を選び、フォームに必要事項を入力して注文すれば完了です。
なお申込先は、NTTのほかに民間企業もあります。申し込む前に価格帯やサービスの内容を比較、検討しましょう。
電話で申し込む
電話で申し込むときは「115」にダイヤルします。市外局番はありません。
台紙の選び方や文例などはオペレーターに案内してもらえます。また14時までに申し込めば、当日中に届けてもらえます。
電話での受付は年中無休で、8時~17時までです。
弔電の打ち方と文例
弔電を打つときは定型文を用います。また、故人様は敬称で表します。
定型文を用いるのは、弔電が読み上げられるときに故人様のプライバシーを尊重するためです。故人様を敬称で表すのは、故人様やご遺族様に敬意を示すためです。
敬称について詳しく知りたいときは、次の記事が参考になります。

一般的な弔電の文例を以下に2つ示しました。
(故人様の敬称)様のご逝去の報に接し謹んでお悔やみ申し上げますとともに
心からご冥福をお祈りいたします
(故人様の名前)様のご逝去の報に接し心よりお悔やみ申し上げます
ご生前のお姿をおしのびし悲しみにたえません
安らかにご永眠されますようお祈りいたします
仕事で関わりのある人物が亡くなったときは次のように記述できます。
ご生前のご厚情に深く感謝するとともに
(故人様の敬称)のご功績をしのび心からご冥福をお祈り申し上げます
神道やキリスト教における文例
神道やキリスト教における文例を示します。
神道の葬儀における文例は次のとおりです。
(故人様の名前)様のご訃報に接し謹んでお悔やみ申し上げます
在りし日のお姿がしのばれ悲しみに堪えません
平安な眠りにつかれますよう心よりお祈りいたします
キリスト教の葬儀では、次のように記述します。
(故人様の名前)様との出会いを神に感謝いたします
天国で安らかに憩われますよう心よりお祈り申し上げます
ご家族みなさまのうえに主イエス様の慰めが注がれますようお祈りいたします
宛先や差出人などの書き方
宛名や差出人などの書き方は次のとおりです。
表記 | 書き方 |
---|---|
宛先 | お通夜や葬儀会場の会場名 |
宛名 | 喪主の姓名 |
差出人 | 自身の姓名と故人様との関係性 |
会場名が不明なときは、喪家に一報を入れ、喪主の自宅に宛てて弔電を送りましょう。
宛名は一般的に喪主の姓名を記します。なぜなら、喪主の名義でお通夜や葬儀を執り行うためです。喪主以外の人物に弔電を送るときは「(喪主の姓名)様方(受取人の姓名)様」と書きます。
差出人に自身の姓名を書くときは、故人様との関係性を併記しましょう。なぜなら、ご遺族様は故人様の生前の交友関係を把握していない可能性があるためです。
なお自身の住所や電話番号のほか、所属していた団体や部署の名前を添えるとよりご遺族様の負担を軽減できます。
弔電を送るときのポイント
弔電を送るときのポイントを以下に2つ挙げました。
- 忌み言葉や重ね言葉の使用を避ける
- 台紙や文章は故人様や喪家の宗教に合わせる
忌み言葉や重ね言葉の使用を避ける
忌み言葉や重ね言葉の使用を避けるのは、大切な人を亡くしたご遺族様の心情に配慮するためです。また、不幸が続くことを連想させるとして、葬儀の場では用いられません。
忌み言葉や重ね言葉を知りたいときは以下の記事をご覧ください。

台紙のデザインは故人様や喪家の宗教に合わせる
台紙のデザインは故人様や喪家の宗教に合わせましょう。宗教ごとに適したデザインを以下にまとめました。
宗教 | 台紙のデザイン |
---|---|
仏教 | 蓮 菊 |
神道キリスト教 | 百合 胡蝶蘭 |
喪家の宗教が不明なときは百合やカーネーションがあしらわれた台紙を選びましょう。
まとめ:弔電を打つときは故人様やご遺族様の考えを尊重しよう
弔電は、故人様の死を悼み、ご遺族様の心情に寄り添う気持ちを伝える手段の1つです。
台紙はさまざまなデザインが提供されているため、故人様との関係性に応じて適切なものを選びましょう。
お悔やみの言葉を記すときは、忌み言葉や重ね言葉の使用を避けてください。また、喪家の宗教に応じた言葉を用いましょう。
台紙を選ぶときも、喪家の宗教に合わせます。宗教が不明なときは百合やカーネーションがあしらわれたものを選びます。
故人様やご遺族様の考えを尊重しながら弔電を打てば、より心を込めたお別れができるでしょう。
