檀家を辞める方法は?家族と話し合うポイントや手続きの流れについても解説
檀家を辞めることを考えるとき、話の切り出し方や辞めた後のお墓や葬儀に関する疑問が浮かびます。
檀家を辞めるときは、檀那寺の住職に電話で連絡したあとに直接お寺で話し合いましょう。諸事情で直接話すことが難しいときは、手紙を送ります。
お墓および供養の仕方は、家族や親族と話し合って決めましょう。
今回の記事では、檀家を辞めるときに家族で話し合うポイントや手続きの流れについて解説しています。合わせて、手紙の例文や費用にもふれています。
なお、檀家について知りたいときは、以下の記事を確認してください。
檀家を辞めるにあたって家族と話し合う主なポイント
檀家を辞めるにあたって、家族と話し合う主なポイントは以下の3つです。
- 檀家を辞める理由
- 遺骨の移行先と供養方法
- 今後の葬儀や法事の仕方
檀家を辞める理由を話すときは、今の状況と将来の見通しも合わせて伝えます。経済的な負担や檀家を子供や孫が継承できるかどうかなどを検討できます。
遺骨の移行先と供養方法については、移行および新たな供養方法にかかる費用や、負担する人物を明確にしましょう。葬儀や法事の仕方を決めるときは、形式や場所などを決めます。
檀家を辞める手続きの流れ
檀家を辞める手続きの流れは以下のとおりです。
- 檀家を辞める旨を電話で伝える
- お墓や遺骨の扱いについて確認する
- 離檀料を支払う
なお、檀家を辞めるまでには数ヶ月かかることがあります。なぜなら、家族や住職と話し合ったり、お墓や遺骨の扱いについて検討するためです。
檀家を辞める旨を電話で伝える
檀家を辞める旨を電話で話すときは、始めに感謝の気持ちを伝えましょう。次に檀家を辞める旨を話すと、やり取りをスムーズに進めやすくなります。最後にスケジュールを調整して、必要な手続きをお寺で住職と話し合う日程を決めます。
ただし、遠方に住んでいるときや仕事の都合でお寺に訪問できないときは、その旨を伝えて丁重にお詫びしましょう。その後で、お寺に手紙を書くとより丁寧な印象になります。
手紙の書き方については後述します。
お墓や遺骨の扱いについて確認する
お墓や遺骨の扱いについて相談するのは、お寺でお墓の管理をしてもらっている場合です。
なぜなら、檀家をやめるに伴って、お寺にあるお墓を撤去するためです。お墓や遺骨を別の場所に移すときは、以下の4つの方法を検討できます。
- 永代供養を依頼する
- 合同墓に埋葬する
- 手元供養をする
- 散骨する
永代供養と手元供養に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
また、墓じまいを検討するときは以下の記事が参考になるでしょう。
離檀料を住職に渡す
離檀料を住職に渡すときは、奉書紙や白い封筒に現金を包みます。封筒には墨か筆ペンで「お布施」と書きます。金額は住職に確認してください。
離檀料を渡す理由は、主に2つあります。
- 感謝の気持ちを示すため
- 辞めた後も良好な関係を維持しやすくするため
なお、墓じまいのために閉眼供養を行うときは、供養に対するお布施と合わせて渡しましょう。
手紙で檀家を辞める旨を伝えるときの例文
手紙で檀家を辞める旨を伝えるときの例文は以下のとおりです。
拝啓
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素より格別の御高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
この度、(離檀する理由)により誠に勝手ながら檀家を辞退させていただきたくご連絡致しました。
長年にわたり〇〇家の檀那寺として御先祖さまをお守りいただけましたこと、心から感謝致します。これまでの御厚情にお礼を申し上げるとともに、突然のお願いになりましたことをお詫び致します。
つきましては、離檀の手続きや今後の対応などについてご指導いただければ幸いです。
末筆ながら、住職様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
敬具
(年月日)(差出人の氏名)
(お寺の名前)(住職の氏名)様
文中に離檀の手続きや費用に関して相談する旨を記述すると、やり取りにかかる手間を減らせます。
離檀料の他に支払う可能性がある費用
離檀料の他に支払う可能性がある主な費用は以下の3つです。
- 遺骨の移動に伴う費用
- 閉眼供養のお布施
- 墓石の撤去費用
遺骨の移動に伴う費用は、新たな埋葬の仕方によって金額が異なります。そのため、希望する埋葬方法の費用を確認してください。
閉眼供養とは改葬や墓じまいのときに行う儀式です。住職にお経をあげてもらうお礼として、お布施を渡します。
墓石の撤去は石材店が行います。費用は石材の大きさや形状などによって異なるため、相見積もりを取ってください。ただし、お寺から石材店を指定されることがあります。
まとめ:檀家を辞めるときは家族や親族と話し合って決めよう
檀家を辞めるにあたっては、今後の供養や葬儀の執り行い方などを家族の意見を聞きながら慎重に検討します。なぜなら、檀家は家族全員がお寺と関係を持つため、単独で決めるとトラブルになる恐れがあるためです。
辞める旨をお寺に伝えるときは、電話で連絡したあとに直接住職と話し合いましょう。諸事情で住職と対面するのが難しいときは、手紙で伝えてください。
檀家を辞めるときは、お寺との関係を良好に維持できるよう、家族や親族と話し合うことから始めましょう。