お葬式の必需品である数珠ってどんなもの?選び方と使い方をご紹介
お葬式に持っていくアイテムとして挙げられる数珠。仏教に馴染みがない方はそもそも数珠が何かを深く知らず、なんとなく身につけていることもあるかもしれません。
今回は、数珠の役割りや選び方について解説します。ご自身にあったものを身につけ、葬式をより心のこもった儀式にしていきましょう。
数珠ってどんなアイテム?
数珠は元来、僧侶が何回念仏を唱えたかを数えることが目的で使われていた法具です。基本的には仏教以外では使用しないため、神道やキリスト教の儀式のときは持参する必要はありません。
お通夜や葬式のお焼香の際に使用され、数珠を持って仏様に手を合わせると「煩悩が消え、功徳が得られる」とされています。仏様や故人に敬意を払う意味を持ち、お守りとしての役割りも果たすものなので、他人から借りっぱなしにしないように注意してくださいね。
珠の数は煩悩を表す108個が基本ですが、一般の方が持つには長すぎるため、半分の54個や4分の1の27個になっているものも多いです。現在は70種類もの数珠があり、宗派にあわせて選ぶ必要があります。
数珠を選ぶポイント
数珠には多くの種類がありますが、自分にあったものを購入するためにはどんなポイントを意識すればいいのでしょうか。遺族や故人に対して失礼に当たることがないよう、正しい数珠を選ぶ方法についてみていきましょう。
数珠の種類
そもそも、数珠には2つの種類があります。
本式数珠
108個の珠が揃っており、宗派ごとに決まった形がある。
略式数珠
数珠を簡略化したもので、どんな宗派にも使用できる。
地域のしきたりや宗派にこだわりがない方は、どんな宗派にも使える略式数珠を持参しましょう。ただし、日蓮宗などの一部の宗派では略式数珠を認めないところもあるため、注意が必要です。
性別
数珠には性別ごとの種類があり、必ず性別にあったものを選ぶ必要があります。それぞれの違いは主に珠のサイズや長さで、男性用と女性用を無視して使うことはありません。そのため夫婦や兄弟であっても、性別が違えば貸し借りはできないのです。
どちらの性別用のものなのかは見た目で判断できるので、必ず性別にあったものを選ぶようにしてくださいね。
デザイン
数珠はさまざまな木や石を素材に作られていますが、宗派ごとに色や素材に決まりはありません。そのため、基本的にデザインは好みにあわせて選んでもいいのです。ただし、地域によっては色が決まっていることもあるため、事前に葬儀社へ問い合わせておくと安心でしょう。
近年は、安価なプラスチックでできたものも購入できます。「安く購入できるものだと失礼に当たるのでは?」と思われるかもしれませんが、数珠で重要なのは金額ではなく込める気持の強さです。よっぽどのことがなければ、素材や色で失礼に当たることはありません。予算や好みのデザインにあったものを選んでくださいね。
パワーストーンやブレスレッドの数珠は使用しない
最近はパワーストーンが流行っているため、パワーストーンを使った数珠をファッションやお守りとして使っている方も多いかと思います。これらのアイテムはアクセサリーなので、葬式には適しません。普段身につける分には構いませんが、正式な法要の際は決して使わないようにしましょう。
略式数珠の使い方
正しく数珠を選べたら、次は持ち方や使い方についてみていきましょう。本式数珠は宗派によって持ち方が大きく異なるため、お世話になっているお寺などにあらかじめ確認しておくことが大切です。
ここでは、もっとも使用されることの多い略式数珠の持ち方についてみていきます。
略式数珠は、左手で持つのが基本です。読経を聞いているときは左手で数珠を持ち、焼香の番が来て前に出るときも房を下にして左手で持ちます。
御霊前で手を合わせるときは、左手に数珠の輪を通して合唱する方法か、合わせた両手に数珠をかけてその上から親指で軽く押さえる方法があります。どちらでも構わないので、持ちやすい方を実践してくださいね。
諸説ありますが、私達の左手は仏様の清浄な世界を表し、右手が私達現世の人間が住む不浄世界を表しているとされています。数珠をかけて両手を合わせることで、自分の煩悩やこの世の不浄を清めてくれると考えられているのです。
数珠は置きっぱなしにしないように注意!
お手洗いなどで席を立つ際、数珠を椅子の上に置きっぱなしにしてしまう方がいますが、この行為はマナー違反となります。数珠はそのまま置かず、衣類のポケットやバッグにしまって持ち歩くようにしましょう。ハンカチを持っている方は、ハンカチを椅子に敷いてその上に数珠を置いても構いません。
お葬式に持っていく数珠でお悩みなら葬儀社へご相談を
普段使用する機会が少ない数珠について知らない方も多く、数珠を所持していない方も珍しくはありません。仏式の葬式で欠かせない法具なので、きちんと意味を理解して自分にあったものを1つ購入しておくことをおすすめします。
もしも「急な訃報で数珠が用意できなかった」「どんな数珠を選んだらいいかわからない」というときは、葬儀社に相談すると対処してくれるかもしれません。
仏様や故人に失礼がないよう、これを機に正しい葬式の知識を身に着けてくださいね。