落雁とは?お供えする理由や食べ方についても解説

落雁とは、砂糖や片栗粉などを固めたお菓子です。故人様やご先祖様を供養するために仏壇にお供えします。
また、落雁は香典返しに適しています。なぜなら、消耗品は消えものといって「悲しみを繰り返さないように」という願いが込められているためです。
今回の記事では、落雁をお供えする理由やお供えの仕方について解説しています。合わせて落雁の食べ方にも触れています。
落雁をお供えする理由
落雁をお供えする理由として挙げられるのは次の3つです。
- 供養のため
- 願掛けや魔除けのため
- 百味飲物(ひゃくみおんじき)を実践するため
供養のため
供養のために落雁をお供えするのは、かつては砂糖が高級品だったためです。また、白い落雁にはこの世の穢れから離れ、清らかな状態であの世に旅立てるようにという願いが込められています。
願掛けや魔除けのため
願掛けや魔除けのためにお供えするのは、落雁が消耗品であることからきています。
消耗品は消えものといって、香典返しに適している品物です。消えものには「不幸が続かないように」という願いが込められています。
百味飲物(ひゃくみおんじき)を実践するため
百味飲物(ひゃくみおんじき)とは、恵まれない人や修行僧に食べ物を施すことです。また、亡くなった人を供養する意味合いがあります。百味飲物は目連(もくれん)というお釈迦様の弟子が実践したといわれています。
落雁の供え方
落雁の供え方はお供えする場所によって異なります。通例、落雁は高坏(たかつき)や段盛(だんもり)にお供えします。仏壇のみの場合は中段にお供えしてください。
お盆の時期に盆棚を用意するときは、盆棚に供えましょう。
なお、お供えするときは必ず懐紙を敷いてから供えます。懐紙が手元にないときは、書道用の半紙で代用できます。
注意したいのは、落雁をお供えする時期が新盆と旧盆で異なることです。時期の違いを以下にまとめました。
お盆 | 時期 |
---|---|
新盆 | 7月13日から16日 |
旧盆 | 8月13日から16日 |

落雁の食べ方
落雁の食べ方を、以下に2つ紹介しましょう。
- 調味料として使う
- 非常食として保管する
調味料として使う
調味料として使える主なシーンは3つあります。
- 煮物に使う
- お菓子作りやデザートに使う
- 飲み物に混ぜる
煮物に使うと、煮汁にとろみがつくほか、仕上がりにツヤが出ます。ただし、甘みのない落雁は煮物の調味料には適していません。
お菓子作りやデザートに使うときは粉末状に砕いて使用します。
飲み物に混ぜるとやさしい甘みがでます。そのため、コーヒーや紅茶の味わいがまろやかになるでしょう。また生姜湯や葛湯にも適しています。
非常食として保管する
非常食として保管するのは、落雁が長期間にわたって保存できるためです。一般的な保存期間は3か月~半年です。
ただし、保存できる期間は包装の種類や製法によって異なります。必ずパッケージに記載されている賞味(消費)期限を確認してください。
なお、餡が入っている落雁の賞味期限は1か月未満です。
まとめ:落雁をお供えするときは故人様への敬意を込めよう
落雁とは砂糖やでんぷん、米粉を混ぜて作る和菓子です。故人様やご先祖様へのお供えものに用いられます。
お供えするときは懐紙を敷いた高坏や仏壇の中段に乗せましょう。
落雁はかつて砂糖が高級品だった時代に、亡くなった人を供養し、敬意を示すために用いられました。
ご先祖様や故人様に感謝の気持ちを込めながらお供えしましょう。
