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遠方や海外で家族が亡くなったときはどうする?手続きや搬送方法を解説

遠方や海外で家族が亡くなったときはどうする?手続きや搬送方法を解説

遠方へ出かけた家族が現地で亡くなったと聞いたら、大変なショックを受けます。
すぐにでも故人様のところへ行きたいと思う反面、必要なものや手続きが分からずに混乱するでしょう。

今回は、海外を含む遠方で家族が亡くなったときの手続きの仕方や搬送方法について解説しています。
万が一に備えて、記事に目を通していきましょう。

目次

故人様を引き取る前に決めることが2つある

故人様を引き取る前に決めることが2つあります。

  1. 安置先を明確にする
  2. 葬儀を行う場所を決める

安置先を明確にするのは、ご遺体を安全に運ぶためです。

また、どこで葬儀を執り行うかも考えます。
ご遺体を搬送するか火葬するかは、葬儀を執り行う場所によって決まるためです。

地元で葬儀を執り行うときは遺体を搬送しますが、現地で火葬してから地元で葬儀を執り行うときは、現地の火葬許可証が必要です。
詳細は後述します。

遺体の搬送を依頼するときのポイント

ご遺体の搬送は、亡くなった地域の葬儀会社か遺体搬送の専門業者へ依頼します。
依頼するときに気をつけたいのは、長距離の搬送には別途費用がかかることがある点です。
また、打ち合わせのときに搬送費用の内訳を確認しましょう。

長距離の遺体搬送は別途費用がかかる

搬送費は一般的に10kmまでなら葬儀代金に含みますが、長距離の場合は別途費用がかかることがあります。
ほかに別途請求される可能性があるのは、高速道路を走行したときや早朝または深夜帯の利用です。
地域によっては季節も関係します。
ただし、金額は事業者や葬儀会社によって異なります。

搬送費用の内訳を確認する

搬送費用の内訳は事前に確認しておきましょう。
葬儀会社や事業者から説明を受けるとき、明確にしておきたいポイントは2つです。

  • 追加料金はあるか
  • 高速道路を利用するか

ご遺体の搬送にあたって「金額を気にするのはちょっと……」と言う方もいるでしょう。
ですが、業者との間で認識を一致させるのはトラブルを避ける上で大切なことです。
分からないことがあればその場で質問して、クリアにしましょう。

ご遺体の搬送には死亡診断書(死体検案書)が必要

ご遺体の搬送には死亡診断書(死体検案書)が必要です。
手続きは葬儀会社がメインで進めながら、都度、ご遺族様と打ち合わせをします。

発行される書類は故人様が亡くなった状況によって以下のように異なります。

亡くなった状況発行される書類
病院で亡くなったとき死亡診断書
警察が介入したとき死体検案書

書類を受け取ったときは、故人様の氏名や生年月日が正しいかを確認しましょう。
遠方の病院で発行された場合、誤記があったとき訂正に時間がかかるためです。

また、診断書や検案書は葬儀会社がコピーを取りますが、相続等の各種手続きでも必要になることがあるため、3~4部ほどコピーをもらっておきましょう。

遺体の搬送方法は3つある

長距離の遺体搬送の手段は3つです。

  • 車両
  • 船舶
  • 航空機

搬送するときは、死亡診断書(死体検案書)を持ったご遺族様が付き添ってください。

死亡診断書(死体検案書)を持っていない状態で検問や職務質問を受けると、事件性を疑われる可能性があります。
ご遺族様が別の手段で移動するときは、葬儀会社のスタッフか事業者に預けましょう。

船舶や航空機での搬送は、港または空港までの搬送費が加算されます。

車両

寝台車か霊柩車でご遺体を搬送します。
搬送費用は距離や移動経路、備品によって変わるため、事前に確認してください。
ご遺族様も同乗できますが、状況や業者によって対応が異なります。

船舶

船舶で遺体を搬送するのは、島しょ部から本州まで航空機で搬送できないときです。
寝台車または霊柩車が乗船すると車両料金がかかる点に注意しましょう。

航空機

航空機で搬送するときは、亡くなった場所が国内か国外かで対応が異なります。
国内で亡くなったときは葬儀会社へ連絡してください。

連絡するときに伝えることは次の4つです。

  • 航空会社の名前
  • 利用する便
  • 遺族代表者の氏名
  • すぐに連絡がつく電話番号

また、故人様の氏名や年齢、体重なども伝えましょう。
海外からご遺体を搬送するときの流れは後述します。

現地で火葬して地元で葬儀を行う場合

現地で火葬するときは火葬許可証が必要です。
火葬許可証を受け取る際、現地の役場に死亡診断書と死亡届を提出してください。

火葬場には公営と民営の2つがあります。

公営の火葬場は、地方自治体の税金で建設、運営しています。
現地に住民票がない場合、火葬費が高くなる点に注意しましょう。

民営の火葬場は住民票の有無にかかわらず誰でも利用できます。
ただし、公営よりも費用がかかります。

遺骨を運ぶときの注意点

遺骨を運ぶために公共の交通機関で移動するときは、周囲の人に配慮しましょう。

航空機は手荷物検査があるため、事前に書類をそろえます。必要な書類は次の4つです。

  • 火葬証明書
  • 火葬許可証
  • 埋葬許可証
  • 死亡診断書

機内では骨壺が倒れないように梱包して専用の棚に預けます。
そのまま棚に入れると倒れることがあるため控えましょう。

骨壺を膝に乗せて移動したいときは、客室乗務員に確認してください。

車で移動するときは遺族が骨壺を抱きます。
座席に安置するときは、倒れないようにシートベルトで固定してください。

遺骨の搬送に「ゆうパック」が利用できる

国内なら遺骨を「ゆうパック」で搬送することも可能です。
ゆうパックは国内で唯一、遺骨の搬送を請け負っています。

ゆうパックを利用するときは、骨壺を衝撃から守るために緩衝材で梱包してください。
ネットショップで購入できる「ご遺骨梱包キット」を利用してもかまいません。
送り状には「割れ物」と記入してください。

海外で家族が亡くなったときの対応の流れ

海外で家族が亡くなったときは、以下の流れで対応します。

  1. 現地の大使館や総領事館から外務省へ知らせが届く
  2. 外務省からご遺族様に連絡がいく
  3. ご遺族様は現地の在外公館へ連絡して今後の流れと段取りを相談する
  4. ご遺体を引き取るために渡航する

在外公館から連絡が来たときは、担当者の氏名と連絡先を控えましょう。
今後の流れと段取りが決まったら、ご遺族様は宿泊先と航空券を手配して渡航します。

パスポートを持っていない、または有効期限が切れているときは各都道府県の窓口に問い合わせてください。
パスポートを緊急発行できます。

故人様を引き取るときに必要な書類

故人様を引き取るときに必要な書類は6つです。書類は現地で入手します。

  1. 故人様のパスポート
  2. 死亡診断書
  3. 防腐証明書
  4. 埋葬許可証
  5. 遺体証明書
  6. 通関に必要な書類

死亡診断書は和訳したものも一緒に受け取ってください。

防腐証明書とは遺体をエンバーミングしたことを証明するものです。
エンバーミングは国内外へ遺体を搬送するとき、保全のために行います。
書類はエンバーミング業者が発行します。

埋葬許可証、遺体証明書を発行するのは在外公館です。
国によっては、追加の書類を求められることがあります。詳細は在外公館へ問い合わせてください。

故人様が加入している保険を確認する

海外から遺体を搬送すると、高額な費用を請求されることがあります。
故人様がクレジットカードの付帯保険や海外旅行損害保険に加入していれば、費用を補填できます。

ですから、故人様が加入している保険と保険証の保管場所を確認しておきましょう。
保険適用には航空費や宿泊費の領収書が必要です。

保険金の他にも、以下のサービスを受けられることがあります。

  • 現地での書類手続き
  • 遺体の搬送手続き
  • 現地での埋葬、火葬
  • 遺族の渡航に伴う出費
  • 宿泊施設の手配

ただし、保険サービスの内容は保険会社やクレジットカードによって異なります。

事前に手続きの流れを把握して故人様をお迎えする

地元から離れた場所で亡くなった家族を迎えに行くのはつらいものです。
移動中はさまざまな思いがこみ上げるでしょう。

故人様が安らかに眠れるよう、安全に迎えることが何よりも大切です。
ご遺族様の心労を少しでも軽減するために、事前に必要な手続きや流れを把握しておきましょう。

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