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併修(合斎)とは?複数の法事を同時に行うときのマナーや注意点を解説

併修(合斎)とは?複数の法事を同時に行うときのマナーや注意点を解説

併修(へいしゅう)とは、同じ年に2つ以上の法事が重なったときに同時に行うことです。別の言い方では合斎(ごうさい、がっさい)といいます。

施主様と参列者様のどちらにとっても負担を減らせる点から、近年では併修が増えつつあります。ただし、併修を執り行うにあたっては決まりがあり、どんな法事もまとめられるわけではありません。

ここでは併修が出来るケースとマナー、注意点について解説していきます。

目次

併修は心身の負担を軽くする

併修は、施主様と参列者様のどちらにとっても心身への負担を軽くします。

例えば、1年のなかで3月と4月にそれぞれ法事が営まれるとき、参列する方にとって心身の負担は避けられません。また、お香典を個別にお渡しするため金銭的にも負担です。

あるいは、施主様が年内にご両親の七回忌と十三回忌を行うことになっているなら、準備や親族への対応で疲れてしまうでしょう。

他にも、親族に年配の方が多くいて、あちこちへ移動することがためらわれるという場合にも併修は有益です。

併修は現代のスタイルに合った合理的な方法ですが、決して故人様を悼む気持ちをなおざりにするものではありません。特に親族や菩提寺への対応については配慮が必要ですが、これについては後述します。

併修が出来るケース

併修が出来るケースは以下の2つです。

  1. 同じ年で年忌法要が重なったとき
  2. 七回忌以降であること

年忌法要は故人様がお亡くなりになってからの年数で決まるため、回忌が重なる時期が発生するときがあります。例えば、年内の1月に十三回忌、3月に七回忌があるという場合は併修できます。

ただし、年内でも1月と12月のように月が離れすぎている場合の併修は好ましくないとされているため、注意が必要です。

また、併修は七回忌以降から行うようにしてください。

一般的にみて、三回忌まではまだ故人様が亡くなってから日が浅く、心痛が癒えていないことが考えられます。死者を敬うという意味でも、三回忌までは個別に法事を執り行いましょう。

どうしてもという場合は、事前に菩提寺へ相談してください。

併修のマナー

併修におけるマナーは、特にお金の面では通常の法事とは異なる点があります。ここではお布施やお香典、服装などのマナーについてみていきます。

お布施

お布施は通常の1.5倍の金額をお包みしてください。

複数人の法事を1度にまとめるからといっても、金額を2倍にする必要はありません。三回忌以降のお布施は1〜5万円ほどが相場とされているため、併修の場合は1〜7万円です。

また、お布施とは別にお車代やお食事料をお渡しすることもあります。

お香典

併修におけるお香典は、通常より1.5倍程度の金額が相場です。
こちらも2倍にする必要はありません。

返礼品

併修の返礼品は、お布施やお香典と同様に1.5倍の金額を目安にします。熨斗に関しては、通常と同じです。

仏式の法要であれば「粗供養」、仏式以外や宗教が不明な場合は「志」の文字を付けましょう。あわせて施主様との続柄や回忌名を入れることもありますが、いずれの場合もはじめに亡くなった方のお名前を1番右にして記してください。

例えば、十三回忌と七回忌では、1番右側にくるのは十三回忌を迎える故人様のお名前です。ただし、故人様がご夫婦だったときは、男性のお名前を1番右側にすることもあります。

服装

併修は七回忌以降から行うことが一般的なため、服装は平服でかまいません。ここでいう平服とは、略喪服のことです。決してデニムにTシャツで参列してもよいという意味ではありません。

男性の場合は礼服ではない黒や紺色のスーツとネクタイ、靴下を着用してください。

女性の場合、喪服ではないスーツまたはワンピースに、ジャケットやカーディガンを着用します。ストッキングは黒が無難ですが、ベージュでも大丈夫です。

併修の注意点

併修を執り行う際、注意すべきポイントが2つあります。ここでは、法要案内の仕方と日程の決め方についてみていきます。

法要案内の仕方

法要案内のときは併修で行う旨を伝え、故人様のお名前を明確にしてください。

連絡方法としては、七回忌からは親族のみで行うケースが多くなるため、電話やメッセージアプリでの連絡が主になるでしょう。もちろん、案内状をお送りしてもかまいません。

案内状やメッセージを書くときには、亡くなってから年数の浅い故人様の戒名と回忌名を最初に書きます。例えば、父親の七回忌と祖母の三十三回忌が重なったときは、父親の戒名と回忌名が先です。

併修を行う旨を事前に伝えておけば、参列者の方がとまどわずに済み、お香典の金額の差異でトラブルになるリスクも回避できます。

日程の決め方

年忌法要は故人様の命日までに行いますが、併修においてはどちらの命日で日程を決めるべきでしょうか。このような場合、日程の決め方は2つあります。

  1. 年内で早く亡くなられた方の命日に合わせる
  2. あとに亡くなった方の命日に合わせる

前者の場合、同じ年で5月と8月に亡くなられた方では、5月に亡くなられた方の命日に合わせます。

後者は、例えば七回忌の母親と十三回忌の祖母では祖母の命日に合わせてください。

親族や菩提寺への対応について

併修を行うときは親族や菩提寺へ事前に相談したり、併修の旨を伝えたりするといった対応が必要です。

なかには「亡くなった方をしっかり供養するのが大切なのに、まとめてしまうなんて」と眉をひそめる方もいます。もしくは、事前に相談がないことで疎外感を抱く親族もいるでしょう。

また、宗教や宗派、お寺によっても対応に差があることは否めません。

こうしたことがきっかけで、親族同士がぎくしゃくすることもありえるのです。トラブルを避けるためにも、いきなり併修を決定するのではなく、前もって考えを打ち明けて意見を仰ぎましょう。

合理性は人の心があってこそ生きる

併修とは複数の法事を1度にまとめて行うことを指し、別の言い方では合斎(ごうさい、がっさい)といいます。

施主様と参列者様のどちらにとっても心身と金銭的な負担を減らせるため、近年は併修が営まれるケースが増えつつあります。

併修は同じ年に法事が2つ以上あるときや、七回忌と十三回忌が同じ年に重なったとき等に行えますが、三回忌までは個別に執り行ってください。お布施やお香典、返礼品の金額は通常の1.5倍です。服装は平服でかまいません。

併修を検討するときは、まず事前に親族や菩提寺へ相談してください。亡くなった方に対する思いや死生観は人によって異なり、お寺も同様です。親族や菩提寺とのトラブルを避けるためにも事前に意見を仰ぎましょう。

併修を行うときは周囲との関係において調和を保ちつつ、お互いに持つ故人様への思いを1つに出来るよう努めれば、悔いのないものになるはずです。

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