妊婦でもお葬式に参列していいの?迷信と参列時の注意点についてご紹介
親しい人が亡くなったとき、精神的・肉体的負担の大きいお葬式に妊婦が参列してもいいものなのでしょうか。なかには、「妊婦がお悔やみの場に足を運ぶのは縁起が悪い」と考える地域や考え方もあるので、出席するか否かを迷ってしまう人は少なくないでしょう。
今回は、妊婦がお葬式に参加してもいいのか、参加するならどんなことに気をつければいいのかについて解説していきます。
妊婦でもお葬式に参加して大丈夫?
妊婦がお葬式に参列することは、マナーの観点においては何の問題もありません。妊婦だからといって、お葬式への参列に対して遠慮する必要は全くありません。お葬式は故人との最後の時間になるので、負担に感じないのであれば参加しておいたほうが後悔は残らないでしょう。
ただし、妊娠中はホルモンバランスの乱れで体調が崩れやすい時期です。儀式の最中に体調を崩して周囲の人に心配をかけることになれば、お別れの場の雰囲気が壊れてしまう危険性もあります。直前に体調が悪くなってしまったり精神的に辛い気持ちになったりしそうな場合は、参列を断ることも選択肢のひとつです。
妊婦がお葬式に参列すると悪いことが起こる?
地域によっては、妊婦がお葬式に参列することで「赤ちゃんを連れて行かれる」「アザのある子が生まれる」といった言い伝えや迷信が信じられています。
一見恐ろしい迷信ですが、こういった話は妊婦に無理をさせないように気遣う気持ちから生まれたものです。そのため、ご自身が気にしないのであればそこまで気にする必要はありません。
こういった迷信の抜け道としては、以下のような対策が有名です。
- お腹に赤い布を巻くと邪気を払える
- 櫛や刃物を身につけると邪気を払える
- 鏡を外側に向けてお腹に入れておくと災を跳ね返せる
もし迷信が気になるようであれば、上記のような対策を実践しておくと安心でしょう。
妊婦がお葬式に参加するときの注意点
それでは、妊婦が実際にお葬式に参列するときは、どのようなポイントに気をつければいいのでしょうか。意識したい注意点を3つ解説していきます。
①事前に参加してもいいか確認しておく
妊婦がお葬式に参列するときは、参列してもいいかについて事前に遺族へ確認しておきましょう。遺族の意向によっては、周囲の人に心配をかけてしまうことを避けるために、参列を遠慮するようにお願いされるケースもあります。
また事前に伝えておくことで、万が一の場合でも葬儀社がすぐに対応してくれるよう、準備をしてもらえる可能性があります。ご自分のためにも周囲の人のためにも、必ず妊婦でも参列できるかどうかを確認しておいてください。
②妊娠初期や臨月の参列は避ける
つわりが辛い妊娠初期や、お腹が大きくなっていつ赤ちゃんが生まれるかわからない臨月の時期は、できるだけお葬式への参列を避けましょう。とくに臨月の時期は、足元が見えなくて転びやすくなったり膀胱が圧迫されてトイレが近くなったりなど、お葬式への参列に適さない時期です。
安心してお葬式に参列できるのは、妊娠5ヶ月(16週)以降の安定期です。つわりが和らいで流産リスクも減るため、お葬式に参列してもリスクが少ないと考えられています。
③お線香のニオイが体調を悪くしてしまうリスクがある
妊娠中は体調を崩しやすくなりますが、とくにお葬式中のお線香のニオイが原因で体調を崩す妊婦が多いため、注意しましょう。いつもはそこまで不快に思わないニオイだったとしても、妊娠中は不快に感じてしまう可能性が高いです。
もしも途中でニオイに耐えられなくなってしまったら無理をせず、遺族に挨拶してすぐに帰宅することをおすすめします。
妊婦がお葬式に参列するときの服装
お腹が大きくなる妊娠中は、いつもは着られる喪服もキツくて入らなくなってしまいます。手持ちの喪服が入らない場合は、妊婦用のブラックフォーマルを着用してもいいですが、あえて喪服を用意しなくても問題ありません。黒や紺、グレーで光沢や装飾のない格好であれば、私服で参列しても大丈夫です。締めつけがあると気分が悪くなりやすいので、ゆったりとしたワンピースなどを選ぶといいでしょう。
足元は、転ばないようにかかとが低いシンプルな靴の着用がおすすめです。必ず、光沢がなくて黒のものを選んでくださいね。下半身を冷やさないように、温かいタイツを着用しても構いません。
寒い場合は、念のため羽織物やひざ掛けなども持参しておきましょう。いずれも黒で控えめなデザインのものを選び、周囲に不快感を与えないように注意してくださいね。
妊婦がお葬式に参列するときは体調を優先しよう
地域や人によっては「妊婦がお葬式に参列することは避けたほうがいい」と考えるケースもありますが、基本的に妊婦であっても葬式に参列することは可能です。参列する際はご自身の体調とよく相談し、事前に遺族や葬儀社へ連絡しておくことを忘れないようにしてくださいね。
たとえ参列前は問題なくても、体調が不安定な妊婦は、儀式の途中で精神的な負担やお線香のニオイで体調を崩してしまう可能性があります。万が一体調を崩してしまった場合は無理をせず、葬儀社のスタッフに相談して休ませてもらうようにしましょう。