お葬式の生前予約とは?流れやメリットとデメリットについても解説
「生前予約って何?」「なぜ生きているうちにお葬式の予約をするの?」
生前予約と聞いて、このように思う人がいるでしょう。
生前予約とは、生きているうちに葬儀会社に葬儀を予約することです。
生前に葬儀を手配しておけば、死後にご遺族様にかかる心身および金銭的な負担を減らせます。また、自分の希望に沿った葬儀ができるため、気持ちのこもったお別れができるでしょう。
そのため、生前予約はおひとりさまの終活の一環としても注目されています。
今回の記事では、生前予約の概要と流れについて解説しています。合わせて、トラブルを回避する方法についてもふれています。
生前予約について知り、自分らしい旅立ちができるように記事に目を通しましょう。
生前予約とは
生前予約とは、生きているうちに葬儀会社に自分の葬儀を予約しておくことです。
葬儀を予約するときは場所や人数、費用などからプランを決めて契約します。
人はいつ亡くなるか分かりません。
生前に葬儀を手配しておけば、死後に自分の葬儀のことで周囲の人たちにかかる負担を減らせます。
終活の一環として生前予約を検討する人が増えているのはそのためです。生前予約に関して知りたいときは、以下のページが参考になります。
生前葬との違い
生前葬とは、本人が生きているうちに告別式を主催することです。
生前予約は死後を見据えて葬儀を予約するため、そもそもの目的が異なります。
生前葬の目的は以下の3つです。
- 社会的活動に区切りを付ける
- 周囲の人たちに感謝の気持ちやお別れを告げる
- 擬似的な死を通して新たなスタートを切る
3つの目的から分かるように、生前葬は人生の節目に執り行われます。
生前予約の流れ
生前予約は以下の流れで行います。
- 葬儀会社を選定する
- 葬儀プランを決める
- 葬儀会社と契約する
葬儀会社を選定する
葬儀会社を選定するときのポイントは以下の3つです。
- 自宅から近いところにある
- Webサイトに情報がしっかり記載されている
- 実績や利用者のレビューを確認できる
自宅から近いところを選ぶのは、打ち合わせや準備がしやすいためです。
Webサイトの情報や実績、利用者のレビューからは、その葬儀会社の実績やスタッフがどのように対応しているかがみえてきます。
3点を満たした葬儀会社を数件ピックアップして、それぞれの料金やプランの内容を比較しましょう。1社のみに絞り込んで決めると、必要以上に費用がかかったり希望通りの葬儀を行えなかったりします。
葬儀プランを決める
葬儀プランを決めるときは、以下の7点について打ち合わせます。
- 予算と総費用
- 宗教や宗派
- 喪主
- 祭壇や棺
- 料理や花
- 遺影写真
- 返礼品
プランを決めるときのポイントは、自分の希望を優先することです。葬儀会社から提案されたプランやオプションでも、不要なものは断りましょう。
プランが決まったら見積もりを取って、どれくらいの費用がかかるかを確認します。追加料金の有無を含めて、気になるところがあれば質問してクリアにしましょう。
葬儀会社と契約する
葬儀会社と契約するとき、締結の仕方は葬儀会社によって異なります。主な締結の仕方は以下の2つです。
- 予約の手付金を支払う
- 葬儀費用を全額支払う
締結にあたっての料金の支払い方は葬儀会社によって異なるため、よく確認してください。
生前予約のメリット
生前予約のメリットは以下の3つです。
- 自分の希望に沿った葬儀ができる
- 周囲の人にかかる負担を減らせる
- おひとりさまの不安を軽減できる
自分の希望に沿った葬儀ができる
自分の希望に沿って葬儀内容を決められるため、気持ちのこもったお別れができます。大切な人たちとのお別れにあたって、自分の希望を反映させたいと考えている人に適しています。
自分らしいスタイルで見送ってもらうために、プランを決めたときは必ず周囲の人に情報を共有しておきましょう。
周囲の人にかかる負担を減らせる
周囲の人にかかる負担を減らせるのは、葬儀会社を手配したりプランを決めたりする手間をカットしているためです。
また、葬儀費用の一部または全額を支払っていることから、金銭の負担も減らせます。
ご遺族様の負担を軽くすればお別れの時間を多く取れるため、落ち着いて過ごしてもらえるでしょう。
おひとりさまの不安を軽減できる
おひとりさまの場合、自分の死後の手続きや葬儀に不安を抱くことがあります。生前予約を済ませておけば気持ちに余裕を持って日常を送れるため、おひとりさまの終活の一環としても有益です。
おひとりさまの終活に関しては、以下の記事が参考になります。
生前予約のデメリット
生前予約のデメリットは以下の2つです。
- 周囲の理解を得にくい
- 葬儀会社が倒産するリスクがある
周囲の理解を得にくい
周囲の理解を得にくい理由は2つあります。
- 心理的な抵抗
- 葬儀への考えが本人と異なる
心理的な抵抗があるのは、生きているうちから葬儀の準備をすることに不吉さや縁起の悪さを感じるためです。大切な人が亡くなるのを想定したくないという思いもあるでしょう。
また、希望する葬儀のスタイルが家族の考えと異なっている場合、理解を得にくいことがあります。例えば、少人数のお葬式を希望しているのに対し、家族は立派なお葬式を望んでいることがあります。
このような場合は、打ち合わせのときに家族に同席してもらいましょう。お互いの考えを話し合うことで、認識を一致させやすくなります。
葬儀会社が倒産するリスクがある
葬儀会社が倒産するリスクがあるのは、民間企業のためです。民間企業は国からの援助を受けていません。万が一、葬儀会社が倒産したときは2つのリスクが考えられます。
- 葬儀を執り行えなくなる
- 前もって支払った費用が戻ってこなくなる
2つのリスクへの備えとしてできるのは、契約前に保証制度や支払い方法などを確認することです。葬儀会社の評判や過去の実績なども含めて、総合的に判断しましょう。
生前予約でトラブルを避けるためにできること
生前予約にあたって、トラブルを避けるためにできることは以下の2つです。
- 生前予約の旨を家族に知らせる
- 万が一のときに支払う費用を確認する
生前予約の旨を家族に知らせる
生前予約の旨を家族に伝えるのは、確実に契約した葬儀会社で葬儀を執り行ってもらうためです。生前予約を済ませていることを知っていれば、予約先の葬儀会社に連絡できます。
家族に生前予約の旨を知らせなかったとき、考えられるリスクは以下の2つです。
- 別の葬儀会社に依頼される
- 契約を履行できなくなる
別の葬儀会社に依頼された場合、希望通りの葬儀でお別れできなくなります。さらに、前払い金を支払っていたときは契約を履行できなくなります。
そのため、エンディングノートや遺言書などに記入して、自分の死後に情報を確認できるようにしてください。
万が一のときに支払う費用を確認する
万が一のときに支払う費用を確認するのは、金銭トラブルを避けるためです。生前予約における主な金銭トラブルは以下の3つが挙げられます。
- 見積もりと実際の費用が一致しない
- 本人と遺族で希望する葬儀のスタイルが異なる
- 予約のキャンセルに伴う支払い
見積もりと実際の費用が一致しないのは、当日に想定外の事態が起こったために追加料金が発生したときです。予約するときに、費用が変動する可能性や追加料金の有無を確認しましょう。
本人と遺族で希望する葬儀のスタイルが異なるとき、当日になって葬儀プランを変更される可能性があります。希望通りの葬儀を行って欲しいときは、遺言書やエンディングノートにその旨を記入して、家族にはっきりと伝えてください。
予約したあと、何らかの事情によってキャンセルすることがあります。キャンセルにあたって違約金を支払う可能性があるため、契約時に支払いの有無と金額を確かめましょう。
【まとめ】生前予約は前向きに生きるために行う
生前予約は、自分の葬儀を葬儀会社に予約することです。
希望通りの葬儀ができ、家族の心身および金銭の負担を減らせます。そのため、おひとりさまの終活の一環としても有益です。
生前予約のポイントは、必ず周囲の同意を得ることと複数の葬儀会社から検討することです。葬儀会社と契約したら、プランや費用などをエンディングノートか遺言書に記入します。
生前予約は、いつか必ず迎えるお別れにあたって自分の希望を叶えられます。終活の一環として、どのようなお別れがしたいかを考えてみてはいかがでしょうか?