訃報を受けたのに喪服がない!普段着でも大丈夫?気をつけたい身だしなみのポイントは?
人が亡くなるときは、誰にも決められません。これを読んでいる方の中で、突然大切な人を亡くしてしまった経験を持つ方もいるでしょう。
また、これまでお葬式などに参列した経験がない、という方もいるのではないでしょうか?
私も、20代後半になるまで、誰かを亡くしたことがありません。
訃報を受け取ったとき、喪服の用意がない、という状況に陥るのは珍しくありません。
その対処と、身だしなみのポイントを説明します。
平服でもお通夜に参加できる?
結論から言えば、参加出来ます。
いつ、誰が亡くなるかは誰にも分かりません。ですから、お通夜には平服で参加してもマナー違反には当たりません。
「訃報を聞いて押っ取り刀で駆けつけた」という意味合いでも、平服でお通夜に参加した方がよいとされた時もありました。また、急なお通夜にもかかわらず喪服を着用していくと「亡くなるのを待っていた」と捉えられるケースも見受けられます。
今は職場から直接駆けつけるなど、喪服に着替える時間が取れない、というケースも多くあります。その場合は、平服のままでも問題ありません。
ただし、遺族はこれに当たりません。
遺族はお通夜、告別式、お葬式、すべてのシーンで喪服を着用します。
喪服には、哀悼の意を込め、故人を弔う意味があるのです。
次の項目では、平服でお通夜に参加するときの身だしなみを、男女別に解説します。
平服でお通夜に参加するときのポイント
平服というと、普段着でもよいような印象を持ちます。
ですが、決してそのままで参加してはいけません。
平服には平服のマナーがあります。
女性の場合
地味な色(黒など)のワンピース、スーツで参加しましょう。パンツスーツでも問題ありません。肌の露出は控えて、スカートは膝丈くらいのものが無難です。
アクセサリー類も外しておきましょう。結婚指輪はそのままでも大丈夫です。
足下は、黒いストッキングかタイツを着用しましょう。
以前、タイツのデニール数について言及したマナーがsnsを賑わせましたが、気に病む必要はありません。
特に女性の場合、冷えやすい方も多いでしょう。マナーを意識しすぎて、自分の身体を痛めてしまっては本末転倒です。
また、派手なネイルをしている場合は、落とすか黒い手袋を着用してお通夜に臨みましょう。
男性の場合
無地のダークスーツであれば問題なく参加できます。
派手な色のネクタイや腕時計はあらかじめ外します。また、ネクタイピン、カフスも同様です。
靴下やネクタイは、黒に換えましょう。
靴下やネクタイ、ストッキングは、コンビニで購入できます。
もしくは、職場などのロッカーに備えておくと、いざというときに慌てずに済みます。
お葬式や告別式も平服で参列できる?
告別式、お葬式への参列時は、喪服着用が必須です。
平服で参加できるのは、お通夜のみなので注意しましょう。
マスクはどうする?
マスクについても、「黒いマスクでなければならない」と、SNSでマナーを説いて話題になっていました。
実際には、地域の気候や季節などによって、黒いマスクはかえって健康によくないことがあります。
マスクは白いマスクを着用してもかまいません。
黒いマスクでも大丈夫です。
ただし、派手な物や飾りのついているものは避けましょう。
喪服を持っていないときの対処法
喪服を持っていなかったり、持っていても体型の変化などで着られなかったりして、新たに用立てる方法を紹介します。
量販店・即日仕立ての店で購入する
スーツ量販店や即日仕立てのお店なら、その場ですぐに購入出来ます。
採寸も行うため、自分の身体に合わせたスーツを仕立てられます。
レンタルサービスを利用
葬儀会社や貸衣装屋でレンタルできます。
特に葬儀会社の場合、服装のマナーについてプロの目線から聞けるメリットがあります。また、喪服を着物にしたい、というときも借りられます。
Web上でのレンタルは手軽で、かつラインナップが豊富なこと、他の喪服と比較できる点がメリットです。ただ、実際に目で確認出来ない点と、試着できないことがデメリットです。サイズなどをよく確認して、申し込みましょう。
親戚や友人から借りる
身近な人から借りる、というのも一つの方法です。
このとき、自分と背格好の似ている人から借りるようにしましょう。
明らかにサイズの合わない喪服を着用すると、
「借りてきた」
ことが誰の目にも明らかになってしまいます。
一例ですが、袖がぶかぶかだと物にひっかかったり、うまく身体を動かせなかったり、不格好に映る恐れがあります。
ただし、人によっては、喪服を誰かに貸す、という行為をよく思わないかもしれません。
突然「貸して!」というのではなく、相談する、という形で話をしてみましょう。
学生は制服・リクルートスーツを着用
中学生、高校生は制服を着用しましょう。大学生なら、リクルートスーツを着て参列してください。小学生のお子様で、制服を持っているならそれを着用しましょう。
小さな子供は地味な服装でOK
乳児や幼児、小学生など小さなお子様の場合、地味な服装であれば問題ありません。
男の子
黒や紺などのジャケット・ベストやセーター。白いシャツに黒いズボン、靴下など。ワンポイントや、プリントのある服は避けた方が無難です。
女の子
白いシャツに黒いスカート、ダークトーンのワンピースなどを着用しましょう。靴や靴下は黒いものを選び、ヘアアクセサリーも、色を抑えたものにしましょう。
乳児の服装
生まれて間もない子供は、喪服の用意がないケースが大半です。
ご家族と相談しながら、持ち合わせの服から濃い灰色のセーターを、モノトーンのズボン等を新たに購入してみるのもよいかと思います。
靴は、落ち着いた色のものを選びましょう。
心を服で表現する
死者を悼む気持ちを表すために、お通夜やお葬式で私たちは喪服を着用します。
マナーというと、少し堅苦しく、押しつけがましく感じる方もいるでしょう。
「そんなのって、つまんないな。気持ちがあるなら、それでいいじゃないか」
と思うかもしれません。
例えば、お葬式の場に、パーティーで着るようなドレスを着ていったら、どうでしょう?
アクセサリーはきらきら、お化粧や髪の色も派手に装った方が「お悔やみ申し上げます」と言ったなら、どう思いますか?
スエットやジャージ、サンダルを履いた方が同じように振る舞ったら、どう感じるでしょうか?
いくら、「気持ちはあるから」と言われても、とてもそうは感じられないでしょう。
かえって、馬鹿にされているように思うかも知れません。
服は、心のラッピングです。悲しい、つらい、という気持ち。
「あなたがいなくなってしまったなんて、信じられない」という思いを、最も適切に表現できるのが喪服なのです。
時々、喪服の状態を確認して、必要なら新調するなどして手入れをおすすめします。