終活年賀状(年賀状じまい)とは?メリットとデメリットや書き方についても解説

終活年賀状とは、親族や友人などに出す年賀状のやりとりを辞退することです。終活年賀状は年賀状じまいともいいます。送るタイミングは終活を始めるときや定年退職などが挙げられます。
終活年賀状のメリットは年賀状作成にかかるコストをカットでき、対人関係を見直せる点です。
注意すべきは、受け取った人が絶縁宣言と捉える可能性がある点です。
今回の記事では、終活年賀状を出すタイミングやメリットとデメリットについて解説しています。合わせて、書き方や文例も示しています。
終活年賀状について知り、スムーズに辞退できるように記事に目を通しましょう。
終活年賀状は人生の節目に出す
終活年賀状は人生の節目に出します。主な節目として次の3つが挙げられます。
- 終活
- 加齢による心身の変化
- 定年退職
終活を始めたときは、もっともスムーズに取り組めるタイミングです。なぜなら、これまでの歩みを振り返り、今後について考えやすくなるためです。
今後の人生をよりよくするために、負担を減らす方法として終活年賀状を検討できます。
加齢による心身の変化によって、年賀状作成の負担が大きくなります。また通院している場合は、より今後について慎重に考えるでしょう。
終活年賀状を出せば、心身の負担を減らしてより穏やかに過ごしやすくなります。
定年退職をきっかけにするのは、関わる人が変わるためです。退職以降は会社関係者との付き合いが減少し、よりプライベートな交友関係に移行します。
付き合う人の層の変化に合わせて対応の仕方を変えれば、より私生活を充実させやすくなるでしょう。
終活年賀状を出すメリット
終活年賀状を出すメリットは次の2つです。
- 年賀状を出すコスト(時間やお金)をカットできる
- 交友関係を整理できる
年賀状を出す手間をカットできるため、時間と費用の負担が軽減します。そのためゆとりをもって年末年始を迎えられるでしょう。
交友関係を整理できるのは、人付き合いの密度が明確になるためです。年賀状のみの付き合いでつながっている知人や親戚がいる場合、終活年賀状を出すことで付き合い方を見直せます。
見直しより以降は、より心地よい対人関係のなかで過ごせるでしょう。
終活年賀状を出すデメリット
終活年賀状を出すデメリットは次の2つです。
- 絶縁と捉えられる可能性がある
- 喪中はがきを受け取りにくくなる
絶縁と捉えられる可能性があるのは、終活年賀状が浸透していないためです。なかでも交流する機会が年賀状のみの場合、受け取った人は大きなショックを受けるでしょう。
そのため、交友を続けたいという旨や代替手段を必ず伝えましょう。
喪中はがきを受け取りにくくなるのは、相手の年賀状の送り先リストから除外されるためです。終活年賀状を受け取った人は、送り主に喪中はがきを送るのは迷惑にあたると判断するでしょう。
結果、友人や知人の訃報を遅れて受け取ることがあります。
終活年賀状を書くときのポイント
終活年賀状を書くときのポイントは次の3点です。
- 新年の挨拶から書き出す
- 今後の交友関係は変わらないことを伝える
- メールやSNSなどの代替手段を提案する
新年の挨拶から書き出すのは、受け取った相手の心情に配慮するためです。次に近況を伝え、年賀状を辞退する理由を明確にしましょう。
また、辞退するのは年賀状のみであることを明確にし、今後も交友関係を継続したい旨を添えます。
メールやSNSなどの代替手段を提案すれば、今後も関係を継続、維持したいという意思をより強く示せます。主なSNSは以下の3つです。
- LINE
- X
- SMS(電話番号で送れるショートメール)
なお、相手が利用しているSNSが不明なときは、2種類以上のSNSアカウントを提示すると連絡を取りやすくなります。
デジタルツールに苦手意識があるときは、電話での連絡を提案できます。
終活年賀状の主な文例
終活年賀状の主な文例を以下に3つ、示しました。
- 加齢により年賀状の作成が困難になった場合
- 定年退職を理由にした場合
- 環境の変化を理由にした場合
加齢により年賀状の作成が困難になった場合
加齢により年賀状の作成が困難になった場合は次のように書きましょう。
輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます
昨年中は格別のご厚情を賜り心より感謝申し上げます
さて私も間もなく(年齢)歳を迎えます
年齢による体力の衰えもあり年賀状の作成が以前のように容易ではなくなってまいりました
誠に恐縮ではございますが
本年をもちまして皆様への年頭のご挨拶を控えさせていただきたく存じます
長年にわたり温かい年賀状をお送りいただき誠にありがとうございました
今後は電話やメールなどで近況を交換させていただければ幸いです
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げ
新年のご挨拶とさせていただきます
定年退職を理由にした場合
定年退職を理由にした場合の文例は以下のとおりです。
新年あけましておめでとうございます
旧年中は格別のご厚情を賜り心より御礼申し上げます
本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます
さて私事で大変恐縮ではございますが
この度長年勤めてまいりました会社を定年退職することとなりました
人生の新たな節目を迎えるにあたり
誠に勝手ながら今後の年賀状によるご挨拶は控えさせていただきたく存じます
皆様には長きにわたり大変お世話になり心より感謝しております
今後はFacebookやLINEなどのSNSを通じて近況をご報告させていただければ幸いです
末筆ではございますが皆様のますますのご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます
環境の変化を理由にした場合
環境の変化を理由にした場合は次のように記述しましょう。
新年おめでとうございます
皆様におかれましてはつつがなく新春をお迎えのこととお慶び申し上げます
私事で恐縮ではございますが
この度新居に移転し新たな生活を始めることとなりました
つきましては誠に勝手ながら年賀状によるご挨拶を今年限りとさせていただきたく存じます
今後はメールやSNSなどを通じて皆様との交流を深めていければと思っております
甚だ略儀ではございますが
今後とも変わらぬお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます
まとめ:終活年賀状は受け取る人の心情をおもんぱかりながら書こう
終活年賀状は人生の節目のタイミングで出します。
年賀状のやりとりを辞退する理由を明確にしながら、今後も関係を継続したいという意志を伝えましょう。なぜなら、年賀状の辞退を絶縁の意志表示と捉えられる可能性があるためです。
そのため年賀状にはメールやSNSなどの代替手段を提示しましょう。
終活年賀状は以降の年賀状を作成するコストをカットし、交友関係を見直す機会になります。
ただし、受け取った人の心情をおもんぱかり、文例を参考に作成しましょう。
